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小島アジコの落書き置き場

おもに幻想再帰のアリュージョニスト、ゆらぎの神話関連の落書きを上げています。

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美戦九姫

ゆらぎの神話 現代神話

言理の妖精語りて曰く、ここでないどこかに、9人の魔法少女がありました。魔法少女たち魔法少女である前に美戦九姫というアイドルグループでした。アイドルグループといっても、地下アイドルだったので、週末は、既成の曲を歌ったライブのあとの握手会や、ハグ会などの接触イベントで忙しい日々を送っていました。また地下アイドルの給料は安いので、彼女たちは、毎日別のところでバイトをしていました。9人のうち、1人が中学生で、5人が高校生、1人が大学生、2人が社会人でした。また、9人のうちひとりは男の子でした。
彼女たちの事務所には、別に男性三人のアイドルグループがいました。
ウィータスティカという名前の彼らは、一部でマニアックな人気がありました。どうにもBLくさいのです。あと全員頭がおかしかったので、よく、無意味に全裸になったり、乳首を光らせたりしていました。どう見ても変態くさいのも一人混じっていました。そこもマニアックな人気の秘密でした。
美戦九姫のリーダーであるシャスクハナは、「私たちも彼らを見習って乳首を光らせたりしましょう」と提案しました。社会人で四捨五入すると30だった彼女にはもう後がなかったのです。
それを聞いたビアレーデは、「いいえ彼らの魅力はBLくさいところです、よって我々も百合営業をしましょう」。ヒアレーデは同人誌即売会に出入りする腐女子でしたので、彼らの魅力をそう分析しました。また、こっそりと彼らの同人誌も作っていました。
フェイフリーンとアシッピールはまんざらでもなかったので賛成しました。
フラウダウスは男の娘だったので、その提案にドキドキしていました。
オルフィレイアは中学生だったので、なんのことだかよくわかっていませんでした。
メライクとガルータヤルはアイドルになる前はヤンキーでしたので、その習性から姉貴分のいうことには、絶対に忠誠を誓うつもりでしたが、メライクは心の中で男の娘であるフラウダウスのことが好きでしたので、百合営業提案について、複雑な思いでしたし、キャラ的に自分はガルータヤルとカップリングを組まされるんだろうな、と思うと、なんとなく憂鬱でした。
こんな答えの出ないやり取りをしながら、彼女たちの楽屋での時間は過ぎていくのでした。
実は、メライクもこう見えて腐女子で、同人誌即売会で何度ヒアレーデとニアミスをしているのですが、逆カプなのと、いつもと全く違うロリ系のキャラクターのコスプレをしていたので、ばれることはありませんでしたが、なんとなくその醸し出す臭いから「(こいつもしかして腐女子じゃねーえの?)」と疑われていました。
そんな彼女たちも魔法少女ではあったので、普段は、呼び出しがあると魔法少女としてよくわからない悪の手先と戦っていました。悪の手先は三人組の男で、なんとなく、ウィータスティカの三人組と似ていましたが、あんまり深く考えないことにしました。魔法少女は9人もいるんだし、下手をしたら変身バンクさえ削られてしまうので、自分の尺をもらうのに必死なのでした。
彼女たちは忙しく、アイドルと、バイトと、魔法少女の三重生活を送っていました。
ある時、美戦九姫の9人の中に非処女がいるという噂がたちました。この時代、非処女のアイドルは火あぶりです。皆がわたしではないと主張しました。四捨五入すると30のシャスクハナは必死で否定しましたが、みんな(まあそうだろうな)と思いました。シャスクハナは泣きました。フェイフリーンはなぜか処女であるか処女でないかを歌声で判断する能力の持ち主でしたがそれを秘密にしていたので、誰が非処女かわかっていても秘密にしていました。実際のところ、9人中8人が非処女でした。フラウダウス(男の娘)も非処女でした。
ガルータヤルはヤンキー的な判別法を提案しました。煮えた鍋の中にペンライトを入れて、それをやけどなくとることができたら処女、やけどをしたら非処女、という判別法です。みんなはガルータヤルは頭がおかしいと思いましたが、こういう時のガルータヤルはやるといったら必ずやる人間なので、みんな渋渋従いました。
煮えた鍋のそこにそれぞれの担当の色のペンライトを入れて、せーの!でとるという方法をとることにしました。煮えた鍋の中に全員で手を突っ込み、しかし、8人がやけどすることなく、ペンライトを取ることができました。
みんな魔法少女で魔法の力で腕を覆っていたのでやけどしなかったのです。バカ正直にそのまま手を突っ込んだ言い出しっぺのガルーダヤルだけが大やけどをしました。ガルーダヤルは泣きながら、そうだわたしが非処女だったんだ、と泣いて謝りましたが、大やけどをして禊はすんだということで、みんなガルーダヤルを許しました。



そんなこんなをしてるうちに、ウィータスティカのメンバーの一人が結婚していて子どももいるということが文春されて、ウィータスティカ解散、事務所がつぶれたので、美戦九姫も解散になった。



美戦九姫 - ゆらぎの神話百科事典
ウィータスティカの三兄弟 - ゆらぎの神話百科事典

エルダードラゴンの三人目の兄弟

ゆらぎの神話 現代神話

言理の妖精語りて曰く、ここでないどこかに、とある市があり、ひとりの市長がありました。市長には三人の息子がおりましたが、誰を後継者にするのかで悩んでいました。一番上の兄弟は力が強く、市一番の豪傑と呼ばれていました。彼に勝てるのはゆらぎ物産の社長くらいでした。二番目の兄弟は知恵にたけていました。彼に知恵比べで勝てるのは金城博士くらいでした。三番目の兄弟はエルダードラゴンでしたので、人の話と常識が通用しませんでした。三男に後を継がせるのはないな…と、市長も心の中で思っておりました。
市長は、この三人のうち、誰に自分の跡を継がせるのがよいか、市役所でも知恵者として称えられている助役に相談しました。
助役は「ここから西の方に、固定資産税を滞納している魔女がおります。その魔女を打倒し、固定資産税を納めさせたものを次の市長にするというのはどうでしょう」
市長には、そのアイデアがとても良いものに思えました。
そして、三人の息子に、魔女から、固定資産税を納めさせたものを次の市長にするといいました。
ひとり目の兄弟が、魔女の屋敷に行きました。魔女の家は広大な土地を持つ豪邸でしたが、庭は荒れ放題で森のようになり、また、家の中はゴミだらけのゴミ屋敷でした。
一人目の兄弟は、魔女に「こんなに庭があれて大変でしょう」というとその力自慢で、庭の木を斧で切り倒し、雑草を抜き、庭をきれいな手入れしました。魔女の荒れた庭は輝く庭園になりました。魔女は満足そうに微笑みましたが、「私はこの森のような庭が気に入ってたんだ、もっと荒れていてもいいくらいだったのに」といって、一人目の兄弟を追い返してしまいました。
二人目の兄弟が、魔女の家にいきました。二人目の兄弟は、魔女の家があまりにゴミで埋め尽くされているのをみて、「こんなにゴミだらけで大変でしょう」というと、近所の人から“あの家のゴミでこまっている”という証言をとり、行政代執行を使って、魔女の家のゴミをきれいにしました。魔女はまた満足そうに微笑みましたが「私はゴミに埋もれて過ごすのが好きなんだ、前のゴミだらけの方が居心地がよかったし、もっとゴミだらけでもよかったくらいさ」と言って、二人目の兄弟を追い返してしまいました。
三人目の兄弟がやってきました。三人目の兄弟に魔女は「お前の兄は庭をきれいにして、ゴミを全部捨ててくれたよ、さてお前は何をしてくれるんだい?」といいました。三人目の兄弟は「兄から、魔女さんはもっと庭が荒れていたほうがよくて、もっとゴミだらけだったほうがいいと聞きました。なので、この家の庭を前以上の森のようにして、この家をもっとゴミだらけにします」と言いました。
三人目の兄弟が世界が震えるような雄たけびを上げると、魔女の庭から異界の植物がにょきにょきと生えてきて、庭は以前の庭以上に怪しい植物と得体の知らない鳥とトカゲと魚を合わせたような異形の小動物で埋め尽くされました。
そして、三人目の兄弟の背中から光輪が広がり、あたり一面に広がったと思うと、空間が遠くの産業廃棄物の処理場がつながり、魔女の家は、前以上のゴミで埋め尽くされました。そこへ、庭から這い出てきた人間の顔をした虫が蠢き、控えめにいって、地獄絵図でした。
三人目の兄弟は、得意げに、「魔女さん、ほかにしてほしいことはありますか?固定資産税を払ってもらえるならなんでもします」と言いました。三人目の兄弟は、ただ素直に魔女のいうことを聞いただけでしたが、魔女はただの嫌がらせ、地上げの手口だと思いました。
起こった魔女は「お前はこのゴミだらけで汚い部屋に住めると思うのかい?住めるものならここに住んでみるといい!」といいました。三人目の兄弟はその言葉を真に受けたので「それでは今日からこの家に住まわせてもらいます」といって、この家に住むことにしました。
ここまで汚く、また異界の生物の蠢く家にはとても住むことのできない魔女は、この家を出ていき、実質的に三人目の兄弟がこの家を占有することになりました。
その後いろいろあって、魔女は土地と建物の権利を手放し、土地と建物を競売にかけることによって、三人目の兄弟は固定資産税の回収に成功しました。
見事、固定資産税の回収に成功した三人目の兄弟は、約束通り父親の市長によって後継者に指名されましたが、選挙で負けました。





現代神話 - ゆらぎの神話百科事典
ゆらぎ市 - ゆらぎの神話百科事典
ム・ムー - ゆらぎの神話百科事典

美しいフラベウファと片目のカルレア

ゆらぎの神話

言理の妖精語りて曰く、昔々ないところに、双子の姉妹がおりました。その双子の姉の名前はカルリア、妹の名前はフラベウファと言いました。フラベウファはとても美しい娘で、国中から集めたれた金でその体を飾っていました。その金の装飾に負けないほどの美貌を誇っておりました。しかし、姉のカルリアは一つ目で片足がありませんでした。彼女はいつも森の中に住み、たたら場で鉄を打っておりました。ふたりは、しかし、仲の良い姉妹でした。

ある時、その双子の話を聞きつけて、となりの国から二人の王子がやってきました。王子の名前はそれぞれファラクランテリとファドナンタリと言いました。

ファラクランテリは美しい王子で、フラベウファと比べても劣らない美しさを持ち優しさと慈愛に持っていました。弟のフィドナンタリは争いが好きで、馬に乗り戦車を駆り、あちらこちらの国で戦争をしていました。

フラベウファとカルリアはファラクランテリの美しさに恋をしましたが、フィドナンタリはそれが面白くありません。そこでフラベウファとカルリアをさらって塔の中に閉じ込めてしまいました。しかしフラベウファが彼の妻になることを拒むとフラベウファを金の鎖で縛り付けて殺そうとしました。姉のカルリアは、これから毎日あなたのために、剣を打つのでフラベウファを助けてほしいとお願いしました。フィドナンタリはその願いを聞き入れ、カルレアが剣を打っている限り、フラベウファを殺さないと約束しました。

カルレアの打つ剣は、今までに誰も見たことのないほどの頑丈さと切れ味を持ち、フィドナンタリはこの剣があれば、兄のファラクランテリを殺し、王国を自分のものにできると思いました。

1000本の剣を打つころ、姉妹の居所をついに見つけたファラクランテリがその塔にやってきました。フィドナンタリは打ち終わったばかりの1000本目の剣を持ち、フィラクランテリに戦いを挑みました。カルリアの1000本目の剣は、ファラクランテリの剣をたやすくおり、ファラクランテリを打ち負かしました。そしてフィドナンタリは勝負に負けたフィラクランテリを炉の中に放り込んでしまいました。それをみて驚いたカルリアは自らも炉の中に飛び込みました。カルレアが炉に飛び込んだとたん、炉の中から一本の槍が飛び出し来ました。それはファラクランテリが槍となった姿でした。槍となったファラクランテリはフィドナンタリの目を突き刺し、身体をバラバラにしてしまいました。そして、金鎖にとらわれたフラベウファを助けたのち、ただの一本の槍になりました。

火の消えた炉の中には一本の剣が残り、それはカルリアが剣となった姿でした。

一人残されたフラベウファは、悲しみのあまり、身体がバラバラになりました。そして金の鎖にその姿を変え、塔の中で鎖を吐き続けているということです。



フラベウファ - ゆらぎの神話百科事典
カルリア - ゆらぎの神話百科事典
ファドナンタリア - ゆらぎの神話百科事典

魔法少女きゆら

ゆらぎの神話

言理の妖精語りて曰く、昔々ないところに、魔法少女のきゆらという少女がいました。魔法少女というのは、魔法を使う少女のことではなく、魔法によって作られた少女のことです。彼女は、魔法使いによって作られた、動く泥人形で、人の欲望のはけ口にされていました。

たくさんの男の人が、彼女を使って、普段、表に出すことのできない欲望や、自分の愛する人に行うことのできない行為を行いました。

ある時、そんな男たちの中にひとりの男の子がおりました。その男の子の名前は、あらやと言いました。あらやは、その魔法少女のきゆらに恋をしました。魔法少女は、魔法でできていますので、目の前の人間の望むようにふるまうのです。あらやは、きゆらといるときにたくさんの話をしました。遠くの誰も見たことない空を飛ぶ巨大な豆腐の話、遠くの砂漠にある、巨大な虹色のカタツムリの上にあるという動く町の話、たくさんの魔女の住んでいる霧の中にあると言われている塔の話、ラクルラールという人形使いと彼女の恋人の二人の男の話、ジャッハフリムとハッフハリムというふたつの都市の話、涙で世界を沈めたレストロオセという女の子の話、鉄をもたらした双子の姉妹の話。そんなたわいのないおとぎ話を、きゆらは微笑んで聞いていました。

ある日、少年は、この魔法少女を、どうしても人間にしてあげたいと思うようになりました。

そして、少年は少女を連れて、町を離れ、旅に出ました。旅に出る中で、様々な試練を潜り抜け、少年は、魔法少女を人間にできる魔法使いのもとにたどり着きました。

少年は、魔法使いに魔法少女を人間にしてもらうように頼みました、魔法使いが、彼女に魔法をかけると、彼女は泥人形から、みるみる人間の少女になりました。少年は喜びましたが、少女は泣きはらしながら、少年を罵倒する言葉を投げかけ、今まで、自分がされてきたことを嘆きながら、世界を呪い、少年の男根を切り取ってしまいました。

そして世界を呪う魔女となりました。

これが、魔女きゆらの、始まりの話です。


魔法少女きゆら - ゆらぎの神話百科事典